映画3本 その1
3月のライオン
私はこれまでに真剣に「勝負」をしたことがない。
と気づかされた映画だった。
中学の部活くらいだな・・・。短距離だったので、勝ち負けではなく順位がついて終わり。元々ナチュラルボーンで足が速かったから、1年生の時には学校の地域内で2位をとった。その後他校の選手は真剣に練習をしてメキメキと成長。3年生になる頃には、全然違う人たちが3位以内に入り賞状をもらっていたなぁ。
一方私はというと、足を怪我したことをいいことに練習はあまりせず、3年生の頃には8位くらいに落ちていたかな・・・。あんまり悔しくもなかった。怪我したししょうがないよね、と納得させて逃げていた節もある。
映画に出てきた、勝負に負けて取り乱す人たちを見て、思わず「えーなんでこんなになっちゃうの・・・ちいさっ性格わるっ」と思ってしまった。が、よくよく振り返ってみると、私も幼いころ兄とオセロゲームをやって、何回も負けておもしろくなくてすねた経験があることを思い出した・・・
勝負に負けて、ちいさっ性格わるって思っちゃうような行動をとるってことは、それだけ頑張っている証拠だし、頑張った人にしかわからないくやしさだよな。
やっぱり、勝負の世界にいる人は負けず嫌いなのだろう。負けてくやしい分、練習や稽古をがんばって、勝ちにこだわる。くやしさ(勝ちへの執着心)VS努力するキツさ。私のくやしさはいつも薄っぺらく執着心全般ないから努力する方を選ばないのだろう・・・
それほど真剣に取り組みたいものもない。あぁなんてかなしいこと!
本当は、一生懸命になれることを見つけたがっているのかなぁ・・・。
でもこの映画の主人公から、負けず嫌い感は感じられない。生きる道が将棋しかなかった。だから将棋をしている。その辺の設定も好み。単なるスポコンではない感じ。家庭環境の複雑さも、入り込んじゃう理由よね。
将棋について全く知識もなく興味もないが、勝負に挑む主人公の心の機微が感じられたせいか、後編までいっきに見てしまった。勝負中の棋士同士の心の対話の場面は、しびれた。全然テーマは違うけど、のだめカンタービレの音楽の世界と同じものを感じたりもした。
「具体的な言葉は必要なく、同じものを感じられている空気」これ好物。
私はヨガをやっている時、これを感じる。先生と雰囲気で会話できるのがウレシイ。
自分自身と対峙し、もがいている場面に、感動しやすいのかもな、私。
単なる将棋の勝負の話でなく、その点が描かれているから好みだったのかも。